眠りなさい娘　怖い夢を見ずに
眠りなさい　何も思い出さずに
悲しみを忘れるために人は夜の旅をする
河は流れ　雲はそこに留まりはしない
眠りなさい娘　怖い夢を見ずに
眠りなさい　何も思い出さずに

みなさんこんにちは。
橘右近です。

お約束なので毎回自己紹介してるなんて言わないでね。
本名，桜葉あかり。２４歳。職業，調香師。
とあるミステリサークルの会員で毎月の企画原稿にひいひい言ってます。

今月のお題は「３月３日は雛祭り　女性キャラの出てくるミステリ」

女性キャラが出てくればいいのね？
べつに犯人がとか探偵が，である必要はないのね？
なんだ簡単じゃん。と，思った私がアサハカでした。
ネタがないのよネタが！！
そうそう毎月トリックなんか思いつかないもん。
それができるんなら作家になってるわよ。

おまけにここ最近忙しいんだからね！！
仕事だって春に向けて新作つくんなきゃならないし，私生活だって５月に１台イベントが控えてるんだから。

って，ばたばたしてたら風邪引きました(#+_+)
鼻が詰まって仕事になりゃしない。
ってことで有給消化中。

「熱あるんだから寝てろよ」

ぺこぺこキーボード叩いてたら怒られた。
これはぽち。
犬じゃないです。念のため。
本名　保地笙悟。２６歳　職業　サラリーマン。
同じ会社にお勤めで，同じサークルに入ってます。
純和風の男前で性格は本人クールなつもり。
現在同棲中で，５月に結婚する予定。

「ないよ」
ないって言ったらない！　あったらしんどいじゃないか。

でっかい手が伸びてきてあたしの額にぺたんと当てられる。
冷たくて気持ちいい。
「あるじゃねーか」
触ってた手で額を叩かれる。
「寝てろ」
はい，すんません。

素直にベッドに行ったら先住者がいた。
「これは何？」
ちこまい丸まっちいのがベッドの真中にいる。
「最近のコンビニはプリンのおまけに猫がついてくるの？」
このサイズなら４週目ぐらいかしらね。
サバトラがらのかわいこちゃん。
猫は好きだけど，匂いがあるんだよ。
動物は調香師の天敵なんだよ。
「表で拾った。ほっといたら死ぬんだからかわいそうだろ」
そりゃそうだけどさ・・・
「ちゃんと世話してよ」
しっかり抱っこしてそう言うしかなかった。

顎の下を撫でてやったら毛皮とは違う手触りのものが指に触った。
なんだ？　首輪してるじゃない。
どっかの飼い猫なんじゃないの，お前？
首輪にはよく迷子札がついてるから見てみたら，樽みたいな形の物がついてる。
ふふん，これだね。
いやがるにゃんを抑えて樽型のものをはずしてみる。
案の定蓋が開いて小さな紙切れが出てきた。

なんじゃいこれは。
こんなことしそうな人間１人だけ知ってるわ。
やけにそそくさと営業に戻ると思ったら・・・
ときゃいいんでしょ，ときゃ。

さて，ここで問題です。
もちろん上記は笙悟の作った暗号です。
なんて書いてあるでしょう？
簡単なのでノーヒントで行きましょう。

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