11月1日 高松例会レポート     今里浩紀

 岡山県でなにかの大会があるのか? というくらい岩手県選手団が乗っている飛行機にようやく空席を見つけて四国に戻ってきての例会。合宿の予定だったのだけど、参加人数が歌遊さん、いかれ帽子屋さん、上州屋さんとぼくの四人ということで、通常例会に変更。いきなり、高松駅で荷物をコインロッカーに預けるだけで大騒ぎになる。ワインはどちらがどちらかわからなくなっているし、貸していた本とCDが大量に戻ってくるし。このままいくと家に帰るときには、四トン車が必要かもしれんという感じで荷物が増えていく。なんとか、コインロッカーに押し込み、コンビニに寄ってから琴電でいかれ帽子屋さんのおうちへ。
 いかれ帽子屋さんの愛猫ぷりんさんが出迎える中、何の脈絡もなく、しそ焼酎(帽子屋注:うちアルコールしかないんだもん)がでてくる。ワインが冷えるまでの間はぼくの仙台土産のおとうふかまぼことずんだ餅、歌遊さんのお土産のじゃこ天を魚に飲み始める。本の話をしたのは五秒くらいかなあ。上州屋さんが「マッチメイク」の評論を持ってきていたが、読んでいれば最低の話だとわかるし、松山の課題本「波のうえの魔術師」はミステリじゃないということで話は終わってしまう。個人的には「マッチメイク」の評価は支持するが、ミステリじゃないという理由ですばらしい文章を読まないのは文化に対する冒涜だと思うぞ(あくまでも、物書きの立場なので、すばらしい文章に対しては尊敬の念しか浮かばないんです)。T社から頂いた第13回鮎川賞「千年の黙」と樋口有介の新作「枯葉色グッバイ」は上州屋さんの手に渡った。これで本の話はおしまい。
 おとうふかまぼこは、おとうふの形をしたかまぼこ? とかいっていたけど、食感がふわふわしているので、味がお豆腐とかはんぺんとか騒いでいるうちに積み上げられた山がなくなっていく。ずんだ餅も郡山で買ったものより格段においしいそうで、これは季節の五月くらいだとどれくらいおいしいんだろうと想像してしまう。ころあいを見計らってワインをあけることに。実際あけるより、なくなるほうが早かったなあ。焼酎を飲んでいたのに、ワインはあけたとたんになくなった感じ。そのときに話していたのが、こけしかまぼこがある(帽子屋注:実際はないですよ,念のため)ということで、こけしを削ったものが入っているとか、こけしを燃やしてかまぼこを作っているとか、本当に本に関係ないところで盛り上がっている。
 今書いている「カラスの街」の呪いの話をしたら、PC被害が大きいことに対して、お祓いを受けて誰かで試して大丈夫なら送ってくださいとのこと。まあ、作者を除けば世界中で五人しか読んでいない作品だから、そのなかにトラブルが集中したのは偶然だと思うけど、ちょっと続きすぎかも。「リング」にひっかけて、この本を買った人は読む前にまだ読んでいない誰かにプレゼントしてください。とんでもないトラブルに巻き込まれる恐れがありますといった帯がついているとか、ホラーファンがつきそうとか、わあわあと盛り上がった。まだ話していないこともあるけど、知らないほうがいいこともあるし。
 歌遊さんが帰るというので、駅まで送りにいき、駅前の北角(ノースポイント)という創作居酒屋で飲み会。メニューが魚介類系なので仙台帰りのぼくはサラダとたこわさを中心にウーロン茶を飲む。いかれ帽子屋さんと上州屋さんはいろいろとアルコールを試しながら、ほとんど食べずに飲んでいる。讃岐うどんを三十人前送ると二日でなくなったとか、陰陽師Uを見に行くとか、ブックオフで漫画を何十冊もまとめて買うとか、塩竃の魚市場にいくら、筋子を買いにいき、仙台でご飯を炊いて一気に食べるツアーとか、なんだか危険そうな話が飛び交う。うん、いい具合に脱線している。このまま、高松どまりなら朝まででも飲めたんだけど、ぼくは高知へと移動があるので、八時前には終了。荷物がひとつ減って列車に乗り込むことができた。吉田直の小説を取引で渡してしまったのは予定外だったけど。ちなみに推奨してもらった高知の某ホテルは仙台のホテルに慣れきっている体には辛かったです。ドアが開かなくて、フロントに部屋を取り替えてもらうとは思わなかったよ。
 ちなみに家に帰りついたのはこの二日後でした。このまま、放浪の作家になろうかな。
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