「十月例会レポート」    今里浩紀

 

 今回のレポートは、エセ亭主関白さん、悪代官さんの突然の欠席で、松山組の歌遊さん、MAZDAさん、葉さん、そして、ぼくの四人。いつものように三越で待ち合わせ後、MAZDAさんの車で某ファミレスヘ。

 光原センセの日本推理作家協会賞「十八の夏」の評論から。一番のファンだと思っていた歌遊さんは首をひねるし、MAZDAさんは斜め読みして済ましてしまうし、葉さんは毒がないですねとおとなしい。「候補に上がった時点で辞退している」といったのがまずかったのかもしれない。葉さん、「賞をとったのはどれですか? まさか、表題作ですか?」と言っていたのに、黙っていたら、ぼくが悪者みたいじゃん。といいながら。光原センセ、すいません。一番毒を吐いたのはぼくです。ミステリでは趣味が合わないでしょうから、何か別の話をしましょう。性悪説が基本のぼくは性格も海辺の松の木のように曲がっています。その他のことは素直なんですけどね。

 続いて、今年の、さらに今まででベストのミステリをという話なのに、みんな否定的な意見ばかり。「ミステリ研究家はろくな人間はいないですね」に始まり、メフィスト賞への否定的な意見が続く。森氏は「F」しか覚えていないとか、蘇部氏の「六枚のとんかつ」はワーストとか、流水はミステリではないとか、石崎氏の「日曜日の沈黙」ではほんとに沈黙してしまったとか。新作では、ぼくがブリジット・オベールの「森の死神」がよかったといったのだけれど、誰も読んでいないらしく(早川だ!!! 高くても読もうぜ)、反応は薄い。思いついたように、ベストはと葉さんが戻すのだけれど、気がついたら、毒吐き合戦になっているのはなぜでしょう。葉さんの「カーは五十年前だから、いいんでしょうね」が一軒目のヒット賞かな。NAZADAさんの二階堂氏は冷凍なんとかが次点ということで。

 とりあえず、河岸を堀江の喫茶店に移して、さらにミステリの話。

 有名どころのどの本が頂点だったかという話。綾辻氏はもう終わっている、有栖川氏の国名シリーズは覚えていない(学生アリスシリーズはもう書かないでほしい)、島田氏は「アトポス」で終わっている、京極氏は「魍魎の箱」が頂点だったといった危険な言葉が飛び交う。二階堂氏には「キッズリターン」の名台詞「まだ何も始まっていない」がMAZDAさんから贈られた。葉さんの「六枚のとんかつ」「どすこい」(あと一冊は忘れました)がもっとも許せない本というのもすごかった。というわけで、葉さんは四国分科会の爆発物処理班ということに決まりました。危険な本があったときは呼んであげてください。二重爆発の危険はいっぱいですが。歌遊さんまで毒を吐くのはびっくり。四国分科会は毒吐きとの屋号がつきそうです。

 罰が当たったのか、その後、ぼくが参加して以来、最初の土砂降りの雨に。作家の皆さんの怒り大爆発??? そんなに怒らないでください。ぼくたちはほんとにおもしろいミステリが読みたいだけなんです。つまらない本は時間とお金の無駄だから。

 というわけで、毒に始まり、毒に終わるまでしゃべり倒した例会でした。

 

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