4月企画原稿
　　　お花見の季節です　花にまつわるミステリ

この時期に花といえばやっぱ桜かな。今年は開花が早すぎて、四国じゃ無理だけど、入学式に満開の桜の下で記念写真、ってのは結構パターンだよね。で、「桜の木の下には、死体が埋まってる」って言い合うのも、結構パターンだと思うんだけど・・・。 　この桜で思い出すのが、京極さんの『絡新婦の理』（講談社ノベルス）の冒頭部分。桜色の着物に身を包んだ女性に向かって、京極堂が「あなたが、蜘蛛だったのですね」と口にするシーンだ。舞い散る桜花のせいで、背景の墓地も、黒衣の京極堂も、女性も、皆紗がかかったようにぼんやりとしていて現実感に乏しい。けど、一幅の絵のようでどんなシーンよりも色濃い印象を残してくれている。 　こんなミステリ、あなたにもありませんか？ ｗｏｒｄｓ　ｂｙ　上州屋

かいたひと	たいとる
今里　浩紀	桜色の手紙　問題編，解答篇
悪代官	バラ色の未来　問題編，解答篇
上州屋	記憶の中に残る花